映画のセットと違うのは焼けこげた匂いや　
まだそこここでくすぶっている煙や　ガスの漏れている匂いや
そしてあちこちに添えられている花や水でした

とても正視出来なくて
でもここで亡くなった人やここに住んでた人達の無念を思って
この光景をしっかり目に焼き付けておかなくては
と思って歯をくいしばって歩いたのが思い出されます

先日「こうべ（あい）ウォ−ク」に参加してあの時壊滅状態だった
その町のあちこちを１０キロ程歩いて来ました

駅を出て目にしたあの光景はものの見事にすっかり
新しい町になっていました

道端に立っている新しいおじぞうさんや
息を吹き返して動いている市場や
元の場所に帰ってきて一生懸命に生きている人々や

我が家のベランダから一日中いえ夜になってもいつまでも
見えてた赤く燃える空や黒煙の立ち上っていた
その空の下にあった菅原市場もすっかり立ち直っていました

三宮の町もビルも新しくきれいになり　又元のおしゃれな神戸に
戻りました

震災ルックと私たちが名づけて愛用した服装は
汚れてもいい暗めの服に
いつでも動けるパンツにペタンコ靴にリュック
俯き加減に歯をくいしばり足早に歩く笑いの消えた人々

今の三宮を行く人にはどこにもそんな面影はなく
明るく楽しげにおしゃれに元気です

６年経って　一応目にするものは元に戻っているようです
人の心にインプットされたあの恐怖と
残された者の孤独感と
しっかり焼きついて忘れられないあの時の心と情景以外は・・・・

１７日の夕方にはあちこちでろうそくをともしての
追悼や感謝や希望をこめた集いが開かれました

すまぴ-も今年は　
というよりやっと６年経って参加する気になった
というのが本音なんですが　参加してきました

水や氷や砂を入れてその中にろうそくを浮かして
並べてある竹ずつに
皆で一つ一つ手にしたろうそくで灯をともしていきました

最後まで灯を消したくないといった思いで
一心に消えかかる灯をともして回っている青年や
雪で出来た沢山のお地蔵さんの前でずっと立って般若信教を
唱えているおばあちゃん
雪の中に新しいろうそくとお線香をさして
いつまでもいつまでも手を合わせている人
ともされた灯を見つめて涙を拭きながらじっと動こうとしない人
６年経ったとはいえ人々の心の中には
それぞれの震災がまだ深く残っているのが伝わってきて涙しました

今年はあの時知った日本中　いえ世界中の人のやさしさやまごころに
感謝の心をこめて「神戸からありがとう！」をお返ししよう
いつまでも「がんばろう神戸！」ではなく
感謝の気持ちをお返ししながら　前むいて明るく希望をもって
ということでしょうか

今年はこれからいろんなイベントで「神戸からありがとう！」の発信が
なされるようです
又神戸にも足を向けてくださいﾈ

Gallery5 Gallery6 の写真でその後の神戸の様子が
伝わったらうれしいです

2001/1/17

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